「A社は100万円、B社は30万円、C社は5万円。…これ、一体何が違うんだ?」
ホームページ制作を検討したことがある方なら、一度はこんな見積もりの差に戸惑ったことがあると思います。
パッと見のデザインはどれもそれなりに綺麗で、スマホで見てもちゃんとしている。なのに、金額の桁がまるで違う。
「高いほうが安心な気もするけど、ハズレだったらきつい。かといって、安すぎて“やっぱり安かろう…”だったら目も当てられない。」
正直な話、私がこの業界に入る前も、まったく同じことを思っていました。「なんでこんなに価格がバラバラなんだろう?」と。
今回は、制作の現場側から見ていて感じる「金額差の理由」について、できるだけ噛み砕いてお話しします。どこにお金をかけて、どこは削ってもいいのか。そんな判断材料になれば嬉しいです。
制作費は「関わる人数」と「時間」でほぼ決まる
Web制作費の正体は、突き詰めるとシンプルです。どれだけの人が、どれだけの時間動くか(=人件費)です。
細かいことを全部抜きにしてしまうと、業界の価格帯はだいたい次の3ゾーンに分かれます。
① 戦略・チーム型(80万〜150万円以上)
- どんな人向け?
「ブランドを再構築したい」「攻めのWeb戦略を立てたい」「採用や広報も含めて、会社の見せ方をガラッと変えたい」
【中身】
ディレクター、デザイナー、ライター、カメラマンなど、複数の専門家がチームで動きます。ヒアリングや現場取材を行い、撮影をし、コピー(文章)も一から作っていく…というイメージです。
【高い理由】
単に「ページを作る」だけではなく、経営陣や現場から話を引き出すヒアリング、ブランドの言語化・コンセプト設計、社内の調整・確認のための打ち合わせといった「考える作業」と「合意形成」にかなりの時間がかかります。その時間が、そのまま費用に乗ってきます。
② 実用・標準型(20万〜50万円前後)
- どんな人向け?
「事業の信頼性をしっかり見せたい」「Webからの問い合わせの“受け皿”が欲しい」「まずはきちんとした会社サイトを持ちたい」
【中身】
小規模な制作会社や、経験のあるフリーランスが担当することが多いゾーンです。撮影や細かなストーリー作りは自社で考える前提ですが、以下のような「ビジネスで使うために必要な機能」は一通り揃います。
- プロによるデザイン(テンプレの使い回しではない)
- スマホ対応
- サービス紹介ページ
- お問い合わせフォーム
ざっくり言うと、“攻めのブランディング”までは行かないけれど、“ちゃんとした会社として見えるライン”は確保するゾーンです。
Relayoも、品質としてはこの②のゾーンを狙っています。
具体的には、ページ数は「トップ・サービス紹介・料金やプラン・会社概要・お問い合わせ」など、だいたい5〜8ページ前後。
打ち合わせは原則メール中心で移動や長時間の会議は行いません。その代わり、構成案づくりや文章のたたき台、問い合わせ導線の設計に時間を使うというバランスで考えています。
③ 名刺代わり型(〜10万円以下)
- どんな人向け?
「とりあえずURLがあればいい」「名刺やチラシに載せる住所としてのホームページが欲しい」
【中身】
既存のテンプレートに、用意したロゴや文章、写真を流し込んで完成、というパターンがほとんどです。
【注意点】
「とりあえずの看板」としては十分ですし、「いきなり何十万円もは出せないけど、ゼロよりはマシ」というフェーズなら全然アリだと思います。
ただ、構成の組み方や問い合わせ導線の設計までは含まれないことが多いので、「Webから新規のお客さんを取りたい」と考えるなら、あとから自分で工夫したり追加投資が必要になるという前提は持っておいた方が安全です。
「100万円貯まるまで待つ」のが、いちばんもったいない
「今は予算がないから、お金ができたら100万円のしっかりしたサイトを作ろう」。こう考えて、制作自体を1〜2年先延ばしにしているケースもよく見ます。
気持ちはすごく分かるのですが、個人的にはあまりおすすめしていません。理由はシンプルで、Webサイトには「積み上げ」の側面があるからです。
サイトを公開しても、すぐに検索で上位表示されるわけではありません。Googleなどの検索エンジンに評価され、検索順位が安定してくるまでには、業種や競合にもよりますが、だいたい数ヶ月〜半年くらいはかかると言われています。
100万円貯まるのを1年待って作った場合
1年間はホームページがない状態。1年後に公開しても、そこから検索経由のアクセスが育ってくるまで、また数ヶ月〜半年かかります。
今、30万円の実用型で始めた場合
ひとまずサイトを公開し、数ヶ月〜半年かけてアクセスが少しずつ増え始めます。1年後には、「ホームページ経由での問い合わせがポツポツ出てきたな」と感じられる状態を目指せます。
もちろん、必ず1年後に問い合わせが来るわけではありません。ただ、「何もない状態で1年待つ」のと、「30万円クラスで1年走りながら、少しずつ育てていく」のとでは、スタートラインに立つ時期が大きく変わるのは間違いありません。
個人的には、最初から完璧な①戦略・チーム型を狙って足踏みをするよりも、まずは②実用・標準型の規模でサクッと立ち上げて、事業が軌道に乗ったタイミングで必要ならリニューアルする…という流れが、一番リスクが少なく現実的なやり方だと感じています。
Relayo(リレイオ)は、どのゾーンを手伝う会社か
ここまで読んで、「うちの今のフェーズだと、②あたりかな…」と感じた方もいるかもしれません。
Relayoは、さきほどの分類でいうと②実用・標準型のど真ん中を担当する制作サービスです。
ただし、その中でも「工程(やり取り)」をできるだけシンプルにして、「導入しやすい価格」と「無理のないスピード感」で提供する、というところにこだわっています。
- 訪問・長時間打ち合わせなし
メールや共有ドキュメントで要件を整理し、互いの時間を圧迫しない進め方に。 - ページ数は5〜8ページ
その分、「誰に・何を・どう伝えるか」と問い合わせ導線に集中します。 - 過度な装飾は最小限
「読み込みが速い」「スマホで見やすい」「迷わず問い合わせできる」ことを優先。
派手なギミックや、大掛かりな撮影が必要な案件は、正直なところ①戦略・チーム型の制作会社さんのほうが向いています。
一方で、「営業のついでにURLを送って、ちゃんと見てもらえるサイトが欲しい」「採用や問い合わせの“受け皿”として、ちゃんとしたホームページを持ちたい」「でも、毎回2時間の打ち合わせを何度も重ねるのは正直しんどい」。
そんな感覚に近い方には、②ゾーンの中でもRelayoの進め方がちょうどいいバランスになるはずです。
おわりに
ホームページ制作は、「安ければ正義」「高ければ正義」という単純な話ではありません。
大事なのは、「今の事業フェーズ」「何年くらいかけて回収したいのか」「自社でどこまで中身を用意できるか」、このあたりとのバランスです。
この記事が、「うちは、今は②あたりで十分だな」「いや、そもそもまだ③の段階だな」と、自社の立ち位置を整理するきっかけになれば嬉しいです。
もし、「②ゾーンで始めたいけど、具体的にどんな形が良いのか相談したい」というタイミングが来たら、そのときはRelayoに一度、「今どんな事業をしていて、ホームページで何を叶えたいか」だけ、ざっくり教えてもらえれば十分です。そこから先は、こちらで形にしていきます。